
発行日 1996年7月29日
定 価 1500円(本体価格1475円)
送料300円
182×170ミリ カラー36ページ モノクロ12ページ
(全国有力書店にて取り扱い)
ご注文は:〒662 兵庫県西宮市深谷町9-12 ないねん出版
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これまでにヨーロッパへの撮影旅行は5回行っている。初めての渡欧が1986年で、それをきっかけに勤めていた会社を辞めて、フリーカメラマンとして独立した。あれから今年でちょうど10年になる。これまでなんとかカメラを手放さずに細々とカメラマンを続けてこれたのも、多くの方々のお世話になったおかげと感謝する次第である。
この10年の間に、国内では国鉄が民営化でJR各社に分割され、その後バブル期の新車ラッシュが続き、鉄道界でも激動の時代を経験した。一方ヨーロッパにおいても高速列車が各国に登場し、新幹線網がどんどん伸びつつある。
これまでのヨーロッパ取材においては、新登場の列車をはじめ、まだ撮ってない列車も含めて、少しでも多くのカットを撮ろうと強行スケジュールで駆け巡っていた。スイスの鉄道が楽しいのは、車両・地形と共に国民の受け入れ態勢も大きな要因だと思う。より多くの海外からの観光客を快く迎え、楽しんでもらえるために、観光に直接関係ない人々も協力している姿勢がすばらしい。そんなスイスの鉄道を腰を落ち着けてゆっくり撮ってみたいという気持ちがあるにもかかわらず、なかなか実行できないでいる。強行スケジュールの最後の何日間を再度強行スケジュールでスイスを駆け巡ったこともあった。

今年の5月には特急の取材をユーロスターとイタリアのETR460ペンドリーノに限定し、「スイスの春 お花畑の電車」をテーマに何カ所か撮影した。日数的にはたいしたことはなかったが、気分的にはのんびり楽しんで撮るようにしたつもりである。
まだまだ行ってみたい鉄道はたくさんあるが、今後もマイペースで撮り続けていきたい。取材不足は承知のうえで、本書では10年前のカットも含めて、楽しかったスイスの鉄道の思い出に残った写真を集めてみた。撮影時期や時間のデータも解説の項に記載しているので、これからスイスの鉄道を撮ってみたいと思われる方は参考にしていただきたい。標高によって季節感に時間差があることを考えれば、いつ行ってもどこかにベストシーズンがあると期待できる。
スイスを訪れる多くの人が列車に乗って通過するだけで車窓風景にカメラを向け、終点ですぐに折り返す。たまには途中の小さな駅で下車して沿線を歩いてほしい。心の豊かさを得るためにスイスから学ぶことがたくさんあると思う。 1996-7 著者談